能登はお魚が非常に美味しいと有名です。このページでは、能登のお魚、特に七尾の魚について美味しい理由や季節ごとの旬のお魚をご紹介させていただきます。
七尾魚の旨い理由
七尾の魚は非常に美味しいと言われます。その美味しい理由について話したいと思います。
理由1,暖流と寒流のぶつかる地域
その美味しい理由はまずはは暖流と寒流が交わる場所であることです。暖流の魚も寒流の魚もどちらもいるという珍しい地域になります。またその場所から豊富なプランクトンが生息されています。
理由2,自然が残る地域
自然が残る能登では山から流れてくる川が非常に綺麗です。汚れていません。これもまたプランクトンが豊富に生息できるということがあげられます。
理由3,富山湾
富山湾とは能登半島から富山までが囲う海の地域です。名前ではイメージしにくいかもしれませんが、富山の海でもあり、能登の海でもあります。
この形状が天然の生簀(いけす)とも言われ、魚を囲って育てているかのような形をしています。外的に襲われにくく、この天然の生簀でそだった魚を食べることができます。
そんな美味しい七尾の魚ですがここからは、七尾にきてぜひ食べてもらいたい魚を季節ごとにご紹介します。
関東と同じ名前の魚であっても味は全然違います。もちろん関東のほうが美味しい魚もあるかもしれません。しかしこちらのほうが美味しいと言われる魚もあります。
例えば「ふくらぎ」。「ふくらぎ」とは、出世魚 「ぶり」 の小さいものです。関東の方はぶりに劣る魚であり、味も落ちるとのイメージがあるとのことですが、こちらでは旨い魚として認知されていますし、旅行者は美味しいと言って食べていただいております。このように同じ名前の魚であっても、七尾のイチオシの魚を味わってもらえたらと思います。
春に食べてもらいたい七尾の魚
春に旬を迎える魚は見た目が美しいものが多いのが特徴です。冬の脂のノッた魚も美味しいですが、春の爽やかな味わいの魚をご紹介します。
目張(メバル)、ハチメ
メバル【カサゴ目フサカサゴ科メバル属】
春を告げる魚と言われております。七尾ではハチメと呼ばれており、大変美味しい春を代表とする魚です。ロックフィッシュと呼ばれる根付魚の類。沿岸海域から水深100m~200m前後の海底付近の藻場や岩場に生息。北海道南部から九州沿岸、朝鮮半島南部にかけて分布。
能登で春告げ魚と言えば目張もその1つです。そのメバルを地元では「ハチメ」と呼んでいます。ハチメは能登半島をぐるりと囲む沿岸海域のどこでもみられ、昔から親しまれている魚です。祝い事が多い春に旬を迎えることもあり、大物の鯛の代用になることもしばしば。釣りのスポットが多い能登半島では、春はメバル釣りのシーズンでもあります。
Fの魚おもしろ図鑑より引用
七尾市の魚である「ハチメ」は、七尾湾の海域に広く生息しお祭り宴の席等に特に好まれ地元民が特に好んで食べる魚のひとつでもあります。ハチメの調理法は、刺身で提供する事もありますが、特に塩焼きで提供し、地元ではノドクロよりも美味しいと言う方も多くいらっしゃるほど、大変好まれております。新鮮なハチメの身の塩焼きは、身の歯ごたえがしっかりとしており、程よい磯の香りや淡泊なあまみのあるお魚です。七尾に来た際はぜひ味わっていただきたい一品であります。
コハダ・このしろ(魚祭)
コノシロ【ニシン目ニシン科コノシロ属】
祭のご馳走名脇役。七尾では「べっと」と呼ばれている、これも特別なお魚です。
新潟県以南の日本海、宮城県南部以南の西太平洋、朝鮮半島、台湾、南シナ回北部に分布する。沿岸性の魚で内湾や河口付近の汽水域に群れて生息する。
祭料理のお魚といえば全国的には鯛が代表各ですが、普段ネコマタギと揶揄されるこのしろものも能登の春や秋の祭シーズンには押し寿司やヌタ料理となって並びます。寿司屋で光り物といえば「コハダ」このコハダが成長するとコノシロになり出生魚で知られるブリと同じように成長と共に呼び名が変わります。
Fの魚おもしろ図鑑より引用
七尾ではこのしろのことを「ベット」と呼ばれており、七尾を代表する魚のひとつでもあります。しかし大きすぎるベットは、骨が太く、魚の身の中にも骨が多いため、食した時に骨が口に残り、少し食べにくく敬遠されがちの魚でもあります。しかし成長期でもあるシンコやコハダは、江戸前では主役なお魚です。また、すきやばし次郎の小野次郎さんがTVで、七尾産のコハダを使用しているとおっしゃられており、そのぐらい美味しく価値のある魚でもあります。当店では、仕入れ状況にもよりますが、石川県産のコハダを中心に使用しております。光り物の仕込みは寿司屋の技量を測るといわれておりますが、当店では塩を少しきつめにし、酢は軽く仕上げ、握りや酢の物として提供しております。
真鯛(まだい)
マダイ【スズキ目タイ科マダイ属】
日本周辺の北海道以南より鹿児島から台湾、中国南部あたりの水深30m~200m
程の海底近くの岩礁地帯に生息しています。日本では縁起の良い魚の代表各です。
雪が融け木々が芽吹きを迎える頃、新入学や婚儀などおめでたい行事が重なります。饗する祝いの膳には必ずといっていいほど鯛が並びます。華々しい祝いの席に登場する真鯛は、あでやかな色、均等のとれた形、上品な味の三拍子そろった優れもので国内魚類の王様といわれております。
Fの魚おもしろ図鑑より引用
能登の春の代表各のひとつであるマダイは、5,6月が特に多く水揚げされますが、七尾では1年中安定して水揚げされる魚でもあります。当店では、仕入れ状況にもよりますが、基本的に朝どれの真鯛を昆布〆にして提供しており、新鮮な白身魚特有の歯ごたえに昆布の旨みが加わり絶品です。また、頭やカマ、中骨等はランチのあら汁やお吸い物にてご提供をさせて頂いております。鯛のアラからでる上質な脂や美味しい身も同時にお楽しいただけます。
真鰯(まいわし)
【ニシン目・ニシン科】
七尾湾の春を代表する真鰯は、新鮮な朝どれが出荷となりますので、身が引き締まり、非常に美味しい魚です。鰯は古くから漁獲量も多く、塩と糠で漬けたへしこや、魚醤となるいしる等、保存食として現代にも伝わっております。また調理法も幅広く対応できるお魚で、塩焼きや干物、刺身、煮付け、フライ等があり、七尾市民にとっては親しみのある魚です。
当店でもお寿司や酢の物、塩焼き等ご希望にそってご提供をさせていただいております。水揚げの状況によりご提供できない場合もございますので事前にお問い合わせ頂ければと思います。
細魚(さより)
【ダツ目・サヨリ科】
早春の3月、4月に旬を迎え、春の訪れを伝えてくれるサヨリ。スリムで燦然き、その姿から“海の貴婦人”ともいわれているそうですが、見た目も美しく、淡白な味わいではあるが、しっかり味わうと風味や香り、独特のあまみ、そして歯切れが心地よいスペシャルなお魚です。当店ではお刺身、お寿司の他にもサヨリの皮を軽く炙りご提供しております。
また春以降は、めったに出回ることもありませんので、季節を代表するお魚ともいえます。ぜひ、4,5月頃に七尾に足を運んで頂き召し上がっていただきたい魚です。
夏に食べてもらいたい七尾の魚
夏はなんと言っても貝が美味しい季節です。鳥貝、さざえ、岩牡蠣、鮑の旬は夏です。
魚は白身がおすすめです。さっぱりとした味わいでまさに夏に食べてもらいたい魚になります。
鳥貝(トリガイ)
【二枚貝綱マルスダレガイ目ザルガイ科】
初夏の高級食材「能登とり貝」
能登の豊かな自然の恩恵をうけ、七尾湾で育てられた能登とり貝は、春から初夏だけ期間限定で出荷されるプレミアム食材です!一般的なものより、身が大きく肉厚で上品な甘味が特徴であり、お寿司やお刺身等でご提供致します。高級な食材ですので事前のご予約をお願いしております。
真鯒(マゴチ、一般的にはコチ)
【コチ科】
古くから愛されている夏の白身の代表格!白身と言えば、タイやヒラメが一般的だが夏場は味が落ち、その代用品として名乗りをあげるのが、夏に旬をむかえるコチです。新鮮なコチは、身がコリとして食感とほのかな甘みが特徴のお魚で昆布〆と相性も抜群です。お刺身以外にもお吸い物や煮物等にも非常に相性も良く、高級料亭にもなじみ深い魚です。
鮑(あわび)
アワビ【ミミガイ科 原始腹足目】
今も昔も貝の王様といえば鮑かなと思います。夏の能登はアワビ漁も最盛期を迎えます。
当店ではご予約のみのご提供となりますが、蒸しアワビの握りの他にも、お刺身や姿蒸しという形でのご提供も可能となっております。基本的に、蒸しアワビを仕込み、握りでお客様にご提供しております。 蒸し鮑は、水、酒、味醂、塩、昆布、薄口等ベースにほんのりあまい汁をベースに30分間蒸しております。お寿司のしゃりとのバランスを考えた、歯切の良い柔らかさとアワビの味お活かす調理を心がけております。
飛魚(とびうお)
トビウオ【トビウオ科 ダツ目】
トビウオは七尾では年中見かける魚ではなく、6月頃から少しずつ漁獲され初夏をイメージするお魚です。当店ではトビウオをお刺身、タタキ、フライとしてご提供をしております。お刺身はトビウオ独特のもっちりとした身が特徴で、ほんのりあま身を感じる事ができます。また、身のいたみも早いため鮮度の良い朝どれ以外は、お刺身としてご提供できません。お刺身以外では、特にフライでの食し方がおすすめで、火を加えると、身のあま身がまし、身質もふっくらと美味しく油と非常に相性の良い食材といえます。
鱸(すずき)
スズキ【スズキ目スズキ科スズキ属】
精悍な海の貴公子北海道南部の日本の沿岸から内海流域、南シナ海に分布する大型の肉食魚。波の荒い沿岸、内湾、河口の岩磯域に生息し、殖用や釣りの人気の対象魚。
その夏の味覚を代表する魚にスズキがいます。精悍な風貌を持ち大きいものは1mにも及びます。七尾湾沖で獲れるスズキは身の匂いも少なく、淡泊であり、特に朝どれのスズキは身の締まりも良く、夏の気温でも身がだれにくい非常に扱いやすいお魚でもあります。また、調理法も非常に多様で、刺身、焼き物、煮物、揚げ物等、どの調理にも適している万能な魚といえます。特にアラもしっかりしているので、かまの塩焼きやアラ汁は絶品であります。
七尾では昔から食されていたお魚であり、戦国大名の畠山義綱が家臣にもてなされた際の献立記録にも文献として残っております。
赤西貝
赤西貝【アッキガイ科】
出荷量は非常に少なく稀少なため、県外にはほとんど出回らず、七尾の寿司屋でも毎日しいれているお店は少ないが当店では、年中仕入れをしております。ぜひ七尾に来た際に必ず食べて頂きたい食材です。
この赤西貝はその昔、和倉温泉「加賀屋」に昭和天皇が宿泊され時にお召し上がりになられ、おかわりをされたという逸話があります。今では七尾の名産のひとつに挙げられています。またその見た目から北陸のルビーと言われ、小粒であるがコリコリとした食感と、かすかに磯の風味を感じ、あまみがあるのが特徴です。
調理法はお刺身以外には余り適さず、お刺身や寿司のネタ、酢の物等シンプルな食べ方がおすすめです。
サザエ
夏の風物詩の代表格サザエ!! 【リュウテンサザエ科、サザエ科】
七尾湾近海で獲れるサザエは、肉厚があり程よい磯の香りが際立っております。特にサザエの雄は雌にくらべて苦みが少なく美味しいと言われております。その見分け方は外見からはわからず、肝の色で判断し、クリーム色なら雄、暗緑食なら雌と判断をします。当店ではお刺身や壺焼きで提供しますが、肝の色で雄、雌の判断や豆知識を語らいながらお食事を楽しんで頂きたいと思っております。
秋に食べてもらいたい七尾の魚
食欲の秋とも言われる季節。サンマが有名かと思いますが七尾ではより特徴的なものが旬を迎えます。日本人の舌に合う魚。日本酒にも合うものが多いですのでぜひ食べてもらいたものです。
皮剥(かわはぎ)
エサとり名人 カワハギ【フグ目カワハギ科カワハギ属】
北海道西側以南から本州、四国、九州、東シナ海に広く分布。海藻が繁る沿岸近くから水深100m前後までの岩磯や砂利の海底付近に生息。水揚げは近縁種のウマヅラカワハギより少なく味はカワハギが美味
能登の秋は方々で1年の稔りに感謝する祭礼が行われます。その祭囃子が聞こえてくる頃海の魚達は脂がのりだします。肥大した肝はアンコウの肝にも勝るといわれるカワハギも他の魚と同様に脂が増します。そのカワハギは餌取り名人の異名を持ち、突き出た口で餌を突つき、釣り人との間では釣られるか食い逃げかの攻防が繰り広げられるそうです。
Fの魚おもしろ図鑑より引用
カワハギは七尾では年中とれる魚です。お刺身はもちろん、お味噌汁や湯豆腐や干物等、地元の方々には普段からなじみの深い魚です。当店では仕入れ状況にもよりますが、朝どれのカワハギを仕入れ、お寿司の握りやお刺身を中心に提供しております、特に人気なのは肝醤油で頂くお刺身です。肝はそのまま食べることができますが当店では、一度氷水に数分間漬け込み、血抜きをして提供致します。また、夏場等は独自の製法で軽く蒸しご提供しております。
甘海老(あまえび)
甘くとろける深海の紅玉 アマエビ【エビ目タラバエビ科タラバエビ属】
太平洋北部やオホーツク海、ベーリング海、さらにカナバ東岸からグリーンランドに至る広い海岸に生息。日本では山陰から北の日本沿岸や北海道沿岸の深海に生息する。石川県が平成7年4月25日にした【四季のさかな】のうち、秋の魚として選ばれている。
昔から人類はエビが大好き。世界中で様々に料理され、親しまれています。しかし世界では煮たり、焼いたり、上げたりと生で食べられる事はほとんどありません。反面日本では、生で食べられる事も多いエビですが、中でも際立つ美味しさを誇るのが「甘エビ」です。火を通したら、かえって美味しさを失ってします繊細な味。その生ゆえに柔らかくとろける食感と舌に広がる強い甘みは、他のエビでは味わえないものです。
Fの魚おもしろ図鑑より引用
今から数年前、北陸新幹線が開業と共に多くの観光客が石川県に足を運んだ、ちょうどその頃、石川県の食をPRのためのキャッチフレーズのひとつに、AKBという表現がされていた。A「甘エビ」K「カニ」B「ブリ」という意味あいだ。海の幸が豊富な石川県の中の3本の一角がこの甘エビである。甘エビは名前の如く極上な甘みが特徴的だ。当店では、エビの頭を味噌汁やお吸い物でご提供しており、エビのすべての旨みを楽しんでいただきたい。
鯖(さば)
旬に遇いたい サバ【スズキ目サバ科】
北太平洋北部を除く大陸沿岸に分布し真鯖と胡麻鯖に大別される。日本周辺では黒潮、対馬暖流海域周辺に生息する。
秋の深まりとともに、今年もまた能登の海に還ってくる魚がいます。太古の昔より、日本人の大切な栄養源として親しまれてきた「鯖」。南の海で生まれる鯖は、冬から初夏にかけて食べながら北上し、秋の能登にたどり着くのです。
Fの魚おもしろ図鑑より引用
魚が美味しくなる秋の代表魚サバ。七尾ではマサバとゴマサバが水揚げされます。特に七尾のマサバは脂のりが多く、身がしっかりとしております。仕入れ状況にもよりますが、お刺身での提供も行いますし、〆サバの場合は軽い酢加減で提供しております。また当店では、お刺身や〆サバの他にも、保存食である、ぬか漬けのへしこや焼き鯖寿司としても販売をしております。ぜひ秋に七尾に訪れた際は召し上がって頂きたいお魚のひとつであります。
あおりイカ
ツツイカ目ヤリイカ亜目ヤリイカ科
アオリイカの旬は、通年とされていますが石川県能登沖で水揚げされるのは、春と秋が旬といえるでしょう。またサイズが小さい、新いかが出回る9月~10月は特別に美味しいアオリイアを扱えるという事もあり、毎年秋の訪れを楽しみにしております。アオリイカの特徴は、モッチリとした身質と、他のイカに比べ、あまみが強く、料亭等にも使用されるぐらい高級なイカでもあります。
当店では、お刺身、フライ、天ぷら等でもお楽しみ頂けますし、炙りや細かく刻み手仕事を加えた、お寿司としても提供しております。
冬に食べてもらいたい七尾の魚
冬は魚に脂がのり、とても美味しい季節でありますし、冬の時期でしか獲れないお魚や素材があります。その中でいくつかご紹介していきます。
鰤(ぶり)
ブリは日本の祝い魚 ブリ礼賛
ブリ【スズキ目アジ科】
北陸の海に寒ブリの到来を告げるのは、荒れ狂う日本海に響き渡る大音量の雷鳴と吹雪の中で天地を切り裂く雷の先行。毎年必ずやってくるこの荒天を、北陸では「ブリお越し」と呼びます。昔からブリは日本人に愛されてきた魚のひとつで、日本海で獲れる「寒ブリ」は、特においしいと言われてきました。また成長とともに名前の変わる出生魚であることから、「縁起が良い」と祝辞に利用されるようになり、日本の祝い文化をかたちづくる役目を果たしています。
Fの魚おもしろ図鑑より引用
冬の到来と共に寒気や雷が鳴り響き北陸の海の恵みとの訪れが七尾の寒ブリです。その価値は全国的なブランドである氷見の寒ブリと同等な質であります。特に10キロを越すブリは脂のりがよく、背の身も脂がのるほどです。当店ではお刺身、握り寿司やぶりしゃぶでのご提供もできます。冬は雪のイメージのため観光客も夏場より少なく感じますが、ブリを食べに七尾に来る価値あり。是非足を運んで頂きたいです。
海鼠(なまこ)マナマコ
身近だけど不思議なマナマコ
マナマコ【ナマコ網マナマコ目マナマコ科】
千島列島から九州南端までに分布。日本の各地沿岸に生息する。
文豪夏目漱石は著者「我が輩は猫である」の中、「はじめて海鼠を食ひだせる小童は某胆力に於て敬すべく、初めて河豚を喫せる漢は其の勇気に於て重んずべし」と彼に手紙を引用したほどナマコのグロテスクな姿や感触は強烈的です。古くから、滋養強壮薬、皮膚病薬なとの漢方薬としても用いられ、中国語でナマコを指す「海参」は、その強壮作用から「海の朝鮮人参」との意味で名前がつけられました。一方、英語では、かたちが胡瓜に似ていることからSEA CUCUMBERと呼ばれております。
Fの魚おもしろ図鑑より引用
七尾湾の冬の味覚の代表的に一つとしてあげられる「海の宝石」とも呼ばれるのがナマコである。11月の中旬から底引き網船漁が解禁され翌年の4月まで続きます。能登の地は古来よりナマコの産地として栄えた資料もあります、またその理由として、七尾湾の自然環境ともう一つは、能登人に伝承された質の高い手作業の仕込みがあります。例えばこのわたという塩漬けや、なまこの卵巣を丁寧に干したくちこという高級珍味、乾燥なまこ(金ん子)という伝統的な保存食が受け継がれています。是非とも食べて頂きたい冬の味覚である。
河豚(ふぐ)
トラフグ【フグ目フグ科トラフグ属】
冬の日本海は怒濤の様相を呈し、吹き付ける強烈な潮風は、ゴーゴー唸りをたてて襲ってきます。間垣と呼ぶ竹垣は、この強烈な風から家を守ります。さてこも冬場に旬をむかえるトラフグは、猛毒をもつ危険な魚です。「フグは食たし、命は惜しし」のことわざがあるようにそのアジは昔から人々を惹きつけています。冬が過ぎ、春を迎える頃石川県の七尾湾ではトラフグの産卵が盛んになります。この産卵期こそがフグ毒が最も強烈になるといわる季節です。
Fの魚おもしろ図鑑より引用
トラフグに限らず、自然豊かな能登半島にはマフグやゴマフグ等様々な種類のフグがとれます。当店は季節にもよりますが、トラフグ料理やマフグの昆布〆や唐揚げ、鍋等をベースにお客様にご提供させて頂いております。入荷の時期や提供数も限られておりますので、ご予約時にご確認頂ければと思います。
ズワイガニ
ズワイガニ【ケセンガニ科 ズワイガニ属】
北陸の冬といえばズワイガニ。上質な身の中に甘みが凝縮され濃厚なカニ味噌が特徴、蟹本来の旨味が堪能でき蟹の種類の中でも特に人気が高いのがズワイガニであります。また、メスの蟹は香箱ガニと呼ばれ、オスの蟹程サイズは大きくはなく小ぶりでありますが、内子と外子という卵と濃厚な味噌を味わえる希少です。地元では、11月の~12月の時期限定でしか召し上がる事ができません。
当店では、11月~12月までは香箱ガニ(メス)を中心に取り扱い、酢の物や茶碗蒸し、鍋等でご提供しております。1月~3月は石川県のブランドである加能ガニ(オス)を中心に取り扱い、蟹料理のフルコースをご提供しております。
紅ズワイガニ
紅ズワイガニ【ズワイガニ属】
ズワイガニよりも赤みが強く、海のルビーとも呼ばれる色鮮やかな蟹です。価格が非常に安いという理由で美味しくない、身が入っていないと印象がありますが、しっかりとした目利きと調理をすれば、びっくりするほど美味しい蟹です。特に鍋物やお味噌汁は美味しい出汁がでますし、身離れも良いのが特徴的で味噌も濃厚です。当店では、仕入れ状況にもよりますが小木港で水揚げされた紅ズワイガニを中心に仕入れています。ズワイガニと紅ズワイ蟹の食べ比べをお楽しみいただければと思います。
真鱈(マダラ)
真鱈(マダラ)【タラ目タラ科】
冬に旬を迎え、漢字で「鱈」と書くように雪のような白身が特徴的であり、身はもちろんの事、白子や卵巣、エラ等、捨てるところがないと言われる程、魅力が詰まったのが石川県であがる真鱈です。また、石川県の郷土食に真子の煮付けや鱈の昆布〆に真子を和える子付け、エラの塩漬けを大根と酒かすと一緒に煮る等の伝統食が残っているのも特徴的なお魚です。
当店では、1月辺りから真鱈のコース料理をご提供しております。上記に書かれている郷土料理を中心に、鱈鍋や塩焼きがセットとなっており、地元の鱈を存分に楽しめる魅力的なコースとなっております。ぜひお寿司と共にお楽しみいただければと思います。